JR琴平駅から徒歩5分
保険調剤薬局|〒766-0002
香川県仲多度郡琴平町296ー1
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Phamacy's LETTER

2025年12月

年末に考える、医療費とお薬の節約について~

皆さん、師走を迎え慌ただしく過ごされていることと思います。
今年も残りわずかとなりました。今日は医療費について考えてみたいと思います。

現在の日本の医療は国民皆保険によって賄われており、体調を崩した時に誰でも比較的安価に、どこでも医師に診てもらい適切な医療を受けることができます。
外国では医療費が高いことや、気軽に医師の診察を受けられない国が多くあるようです。
保険料は給料や年金から天引きされますが、医療時の窓口負担は1~3割と比較的安価です。

しかし、現在の日本は高齢化により高齢者の医療費が伸びていること高額な薬剤(抗がん剤や難病、アレルギー疾患)が増えていること、そして少子化により保険料の負担が上がってきていることが問題となっています。
このままでは、将来的に国民皆保険を維持することが難しくなるかもしれません。

そこで、患者の皆さんができる医療費の節約方法を2つ提案してみたいと思います。

1. 飲み残したお薬(残薬)の調整

慢性疾患で定期的にお薬をもらっている方は、飲み残し(残薬)が出てくる方も多いと思います。
その場合は、受診時に医師に残薬状況を伝えて、残薬の分、処方から引いてもらうようにしましょう。
医師には言いにくいという方は、薬局の窓口で伝えてください。処方元へ報告の上、残薬の調整ができます。

2. 症状が改善した際のお薬の相談

ご自身で自覚症状があった時にお薬が追加され、その症状がなくなった後、医師とお薬の継続や中止についてよく話し合ってください。 例えば、胃が痛くて胃薬が追加され、服用により症状は治まったが、その後も処方がずっと継続されている。
あるいは、咳や痰が気になり薬が追加され、症状は治まったが処方は継続されている……といったケースは珍しくありません。
もちろん、症状が治まったからといって、そのお薬を中止することがすべて正しいとは限りませんが、医師と相談の上、やめられる薬はやめることが患者さん自身や医療費(お薬代)にとってメリットがあるはずです。


来年の4月からは、OTC(市販薬)に似た効果を持つ処方箋薬について、お薬代の4分の1から2分の1程度が患者負担となることが検討されているようです。ご自身の負担がこれ以上増えないよう、お薬の節約から考えてみませんか。

それではお体に気を付けて、よいお年をお迎えください。

2025年11月

本格的な冬の到来!
インフルエンザ対策はお早めに

短すぎる秋が終わりを迎え、早くも冬が到来しつつあります。
今回は冬の感染症の定番、インフルエンザについて書きたいと思います。
今シーズンはインフルエンザの流行が例年に比べて早く、すでに11月末で流行期に入っていると言えます。


予防とワクチン接種の考慮

まずは予防についてですが、当たり前ですが、手洗い、うがい、部屋の換気、加湿、適切な睡眠や食事摂取になります。

  • 高齢者は重症化して肺炎を起こすリスクがありますので、ワクチン接種を考慮されるとよいかと思います。ワクチン接種については、かかりつけ医に相談してください。
  • また、受験生は、大事な時期になりますので、ワクチン接種を考慮されてもよいかと思います。
  • ワクチン接種の効果発現は接種後、2週間から始まり、5か月間は効果が続くとされています。タイミングとしては、今の時期に打っておくことが良いかもしれません。重症化予防、発症予防のいずれも効果があると言われています。

検査と受診のタイミング

高熱や倦怠感、関節痛等の症状があらわれ、「インフルエンザにかかってしまったかもしれない」と思った場合は、医療機関の受診をお勧めします。医療機関でキット検査を受けて、インフルエンザにかかっているかを検査します。

  • 検査のポイント:キット検査ですが、症状があらわれてから、すぐに検査を受けると陰性になる可能性があります。そのため、最低でも半日、できれば1日は時間をおいてから検査を受けられるとよいかと思います。

抗ウイルス薬の服用と注意点

インフルエンザ陽性だった場合、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬の処方が受けられます。

  • 服用開始の重要性:抗ウイルス薬は、発症から48時間以内に摂取を開始することが大切です。それ以降の摂取は、症状発現期間の短縮効果が低下してしまいますので、キット検査も含めて受診の時期は、症状発現後、1日経ってからが、よいかと思います。
  • 異常行動への注意:抗ウイルス薬については異常行動が問題となることがありますが、抗ウイルス薬を摂取していない方にも異常行動がみられることがあるため、薬との因果関係は明らかになっていません。まれに小児で転落事故が起こることがあるため、保護者は窓のない部屋で安静にさせる等、発症後2日間は注意して様子を見ることがすすめられています。

それでは、インフルエンザにかかることなく、今シーズンを乗り切ることを願っています。


2025年10月

秋の気配?
いえ、
在宅訪問の話です。

一気に寒くなりましたね。秋はどこへ行ってしまったのでしょう。
日本の四季が失われつつある今日この頃ですが、今回は病気や薬の詳しい話は一旦お休みして、薬剤師の在宅訪問について書いていきたいと思います。


薬剤師の在宅訪問とは?

薬剤師の在宅訪問は、まだあまり聞きなれない言葉かもしれません。
どのようなことを行うかというと、患者さんのご自宅を訪問し、薬の管理をサポートするサービスです。
具体的には、以下のような理由で薬の服用や管理が難しくなっている患者さんが対象となります。

  • 高齢でたくさんの薬を服用している方
  • 認知症を患い、服用を忘れることがある方(特に独居の場合など)
  • 末期がんや難病などで、ご自宅での療養が必要な方

なぜ薬剤師の管理が必要なのか?
薬の服用が難しくなる原因は様々です。

  • 飲み忘れ:認知症などにより、薬の服用を忘れることが珍しくなく、ご家族のサポートがないと適切に飲めないことがあります。
  • 用法が複雑:1日3回以上の服用が必要な薬や、使用に注意が必要な頓服薬など、用法が複雑で管理が難しいケースがあります。
  • 副作用:副作用が出てしまい、自己判断で服用をやめてしまう(中断する)こともあります。

薬剤師の介入と薬の工夫
そういったお困りごとがある患者さんに対して、薬剤師はどのように関わっていくのでしょうか。
薬剤師は患者さんの服薬状況や生活環境を確認し、飲み間違いや飲み忘れを防ぐための具体的な提案を行います。例えば、

  • 一包化:複数の薬を服用時点ごとに1袋にまとめます。
  • 処方の変更提案:服用回数を減らせるように医師に提案する、頓服薬の服用頻度が高い場合は常用薬にすることを提案する、副作用が原因で飲めない薬は別の薬への変更や中止を医師に提案するなどです。

もちろん、薬剤師が処方を変更することはできませんので、医師への報告書や連絡を通じて、より患者さんに合った処方に変更してもらえるようにお願いします
処方変更がうまくいけば、一包化し、お薬カレンダーなどにセットして薬の管理を行うことが多くなります。

まずはご相談を

お薬の管理でお困りごとがあれば、まずはうじけ調剤薬局でお気軽に相談してください。
また、介護保険を利用されている方は、ケアマネージャーさんに相談してもらっても良いでしょう。
最近はケアマネージャーさんと薬剤師が連携して、患者さんの服薬管理にあたることが珍しくなくなってきています。

今日はこの辺で。ごきげんよう!


2025年9月

秋の気配に要注意!

マダニが媒介する感染症、SFTSについて

やっと暑すぎる夏が終わり、とはいえまだ暑い日が続いていますが、朝晩は少し秋の気配を感じるようになりましたね。今回は、最近ニュースでも話題になっている**SFTS(重症熱性血小板減少症候群)**について取り上げたいと思います。

SFTSは、主にSFTSウイルスを保有するマダニに刺されるか、SFTSを発症した動物との接触によって感染します。
6日から2週間程度の潜伏期間を経て発症し、主な初期症状は**発熱、全身倦怠感、消化器症状(食欲低下、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛)**です。
重症化すると命に関わることもあります。特に高齢者は注意が必要で、全患者の約90%が60歳以上、亡くなった患者の多くが50歳以上であることから、高齢者は発症しやすく、重症化しやすいと考えられます。致死率は約10〜30%とされています。


予防が最も大切です

SFTSを予防するためには、マダニに刺されないようにすることが何よりも重要です。マダニは草むらや藪など、身近な場所に多く生息しています。

服装の工夫:草むらや藪に入る際は、長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を少なくしましょう。シャツの裾はズボンの中に入れ、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れるか、登山用スパッツを着用するのが効果的です。帽子や手袋をつけ、首にタオルを巻くのも良いでしょう。サンダルなどの肌が露出する靴は避けてください。

ペットとの触れ合い:犬や猫を飼っている方は、過度な触れ合い(口移しでエサを与えたり、動物を布団に入れて一緒に寝たりすることなど)は控えましょう。


マダニに刺されてしまったら

マダニは長時間(数日から長いものでは10日以上)にわたって吸血します。もし吸血中のマダニに気がついても、無理に引き抜こうとしないでください。
マダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、病原体が体内に入りやすくなってしまう恐れがあります。
必ず医療機関(皮膚科など)を受診し、適切な処置(マダニの除去、洗浄など)を受けてください。
また、マダニに刺された後、数週間は体調の変化に注意し、発熱などの症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診しましょう。
その際、マダニに刺されたことを医師に伝えるようにしてください。

治療法について
SFTSの治療は、入院で行われることが一般的です。病状の進行が予測される場合は、抗ウイルス薬(ファビピラビル)の使用が検討されることがあります。
また、合併症の病態に応じて、免疫抑制薬や抗菌薬が使われることもあります。
治療は対症療法が主体となるため、やはり感染しないように予防することが最も大切です。

正しい知識を持って、予防策を徹底しましょう。


2025年8月

いまだ注意が必要!新型コロナウイルス感染症について~

いや~、まだまだ暑い日が続きますね。
今回は、最近、流行に入りつつあるコロナウイルス感染症について書きたいと思います。
新型コロナウイルス感染症ですが、2類から5類感染症へ移行し、2年以上がたちました。
流行当初は100年に1度の感染症と大騒ぎになったコロナですが、感染した方も多くなり、慣れてしまった感染症になりつつあります。
しかし、令和5年度(2023年)の日本人の死因第8位で、インフルエンザよりも毒性が強く、まだまだ注意しなければならない感染症であると言えるかもしれません。


感染予防と検査のタイミング

まずは予防についてですが、換気、マスクの着用、手洗い、うがい等になります。
夏はエアコンが必須なので、換気は難しくなってくるかもしれませんが、人が密集する場所ではマスクの着用が効果的かもしれません。
また、今年度も高齢者については自治体よりワクチン接種の補助が出る予定と聞いていますので、医師と相談の上、ワクチンを接種しておくことも重症化予防という意味では大切です。

次にコロナウイルス検査キットについてですが、医療機関で検査を受けるか、薬局でキットを購入し、自宅でご自身で検査される2パターンがあるかと思います。
いずれの場合でも、キット検査をするにあたって、ポイントがあります。
それは症状が出てから、1日たってから検査するとよいです。
なぜなら、症状が出始めて、すぐに検査した場合、体内でのコロナウイルス量がまだ少なく、感染していたとしても検査キットで陽性反応が出にくいことがあるためです。


飲み薬について

最後にコロナウイルスの増殖を抑制する経口薬についてですが、基本的には高齢者や呼吸器、心臓、腎臓が悪い等の基礎疾患を抱える患者さんが服用の対象となります。
経口薬は妊婦の方は服用できなかったり、併用薬がある方は、併用薬の関係で服用できなかったり、あるいは腎臓が悪い方は、お薬の減量が必要になったりするので、お薬手帳を持って医師によく相談してください。

コロナウイルスへの理解を深めて、流行期へ備えましょう。


2025年7月

熱中症対策:経口補水液と受診のタイミング  

暑いですね~!!北海道で40℃と、今年の夏も暑く、ずっと異常な気象が続きそうです。
今回は、この時期の鉄板ネタである熱中症を取り上げます。

主に熱中症の予防・対策に使われる経口補水液(ORS)と受診のタイミングについて書いてみたいと思います。

まず、経口補水液とは、水分、糖分、塩分が体液に近い組成で含まれているため、水分吸収が速やかな飲み物と考えてください。
具体的には、所ジョージさんのCMで有名なオーエスワン(OS-1)、アクエリアス、ポカリスエットが有名かと思います。

これらの経口補水液は、熱中症の予防で汗をかいたとき、例えば運動や屋外作業時など、いつもより発汗量が多いときや、熱中症が疑われるときに飲んでください。発汗があまりない通常の状態では、水分(水か麦茶がお勧め)と食事の摂取が適切にできていれば十分です。

経口補水液には糖分、塩分が含まれているため、発汗とは無関係に日常的に摂取していると、糖尿病、心臓病、腎臓病の方は疾患を悪化させる恐れがあります。
これらの疾患を抱えている方は、事前に医師と経口補水液の摂取について確認をしておきましょう。

次に、受診のタイミングについて書いていきます。
熱中症の疑いがある場合やかかってしまった場合は、以下の点を参考にしてください。

*意識がなければ:直ちに救急車などで受診すること。
*意識があっても経口補水ができない状態なら:すぐに受診となります。
*経口補水ができる場合:経口補水を行い様子を見て、症状の回復がなければ、すぐに受診しましょう。

熱中症に十分注意しながら、この暑い夏を何事もなく乗り切ることを願っています。
それではお元気で、いってらっしゃい!!


2025年6月

夏場に元気になってくる、あいつの話

じめじめの季節に要注意! 水虫と効果的な対策

いや~、暑い日が続きますね! 梅雨明けも間近のようで、いよいよ本格的な夏がやってきそうです。
さて、このじめじめとした梅雨時から夏にかけて、特に元気になる「あの存在」についてお話ししたいと思います。そう、水虫です。水虫の治療には、大きく分けて3つのタイプのお薬があります。

1. 塗り薬(クリーム・軟膏タイプ)

このタイプの塗り薬は、主に「足白癬」と呼ばれる水虫に用いられます。足白癬は、足の裏や指の間で皮がむけたり、皮膚が厚くなったり、ジュクジュクしたり、あるいはかゆみを伴ったりする症状が特徴です。
効果的な使い方のポイントは、以下の通りです。
  • お風呂上がりに塗る: 皮膚が柔らかくなり、薬剤が浸透しやすいため、お風呂上がりの使用がおすすめです。
  • 広めに塗布する: 症状が出ている部分だけでなく、水虫菌は足裏全体や足の指の間など、広範囲に潜んでいる可能性があります。そのため、足裏全体や指の間にもしっかりと塗り広げてください。
  • 両足に塗る: 片足だけに症状が出ていても、両足に塗るのが理想的です。
  • 毎日継続する: 皮膚がきれいになるまで数ヶ月かかることもありますが、毎日根気強く続けることが大切です。

2. 塗り薬(液体タイプ、爪水虫用)

液体タイプの塗り薬は、主に爪が厚くなったり変形したりする「爪白癬(つめはくせん)」の治療に使われます。
効果的な使い方のポイントも、お風呂上がりの使用が基本です。
  • 爪全体と際まで塗る: 爪全体と、爪と皮膚の境目(際)にまでしっかりと塗布しましょう。
  • きれいな爪にも塗布する: 効果が出始めると、根元からきれいな爪が生えてきますが、まだきれいな部分にも水虫菌が移行するのを防ぐため、忘れずに塗ってください。
  • 根気強く続ける: 足の爪の場合、きれいな爪に生え変わるまでに1年以上かかると言われています。焦らず、地道に続けていきましょう。

3. 飲み薬(爪水虫用)

飲み薬は、主に皮膚科などの専門医のみが処方することの多い爪白癬の治療薬です。
最大のメリットは、爪白癬に対する効果が最も高いと言われている点です。
しかし、効果が高い反面、**肝臓を傷める副作用(肝障害)**に注意が必要です。そのため、医師は血液検査で肝機能の数値を定期的に確認しながら処方します。
肝障害といっても、白目が黄色くなる「黄疸」や、お腹に水がたまる「腹水」、強い倦怠感などの重篤な症状が出ることは稀です。医師の指示に従い、定期的に血液検査を受けながら服用すれば、問題なく治療を進められるでしょう。
服用期間は一般的に12週間で終了し、その後、徐々にきれいな爪に生え変わっていきます。

最後に

足の裏や指の間にできる「足白癬」は、医療機関の受診や市販薬(OTC)での対応が可能です。しかし、爪水虫に効く市販薬はありません。 もし爪の異常が気になる場合は、自己判断せずに必ず受診するようにしましょう。

2025年5月

ジェネリック医薬品について


曇りや雨の日が多く、湿度も高くなってきました。

もうすぐ梅雨の時期に入りそうですね。

今回はジェネリック医薬品(後発医薬品)について書きます。ジェネリック医薬品とは新薬(先発医薬品)の特許期間が終了した後、同じ有効成分を同量含み、同じように体内で吸収されることが確認された上で製造販売される医薬品のことです。ジェネリック医薬品は新薬のようにゼロから研究、開発し臨床試験がなされている薬ではないため、開発費が低く抑えられている分、価格はジェネリック医薬品の方が安いです。そのため、ジェネリック医薬品は医療費を抑えるために、世界中で積極的に使用が促進されている医薬品です。

時々、患者さんにジェネリック医薬品の効果は、新薬と比較して大丈夫かと聞かれます。それについては、生物学的同等性試験が実施されています。その試験とは、ジェネリック医薬品と新薬を比較し、両者が同じように体内で吸収され、同じように血中濃度に到達し、理論的に同様の薬理作用を示すことを証明する試験を指します。ですから、効果も同等かと思います、と返答しています。

患者さんの許可を得て、新薬からジェネリック医薬品に変更した場合、実際には大半の患者さんで効果に問題なく継続されていることが多いですが、一部の患者さんからは効果が違う、低下したと言われることもあります。その場合は、薬局で薬剤師に相談して、もとの新薬に戻してもらうとよいでしょう。

昨年10月からは、医療費抑制の政策として医薬品の選定療養という新しい制度が始まっています。ジェネリック医薬品がある医薬品で、ジェネリック医薬品ではなく新薬を希望して処方、調剤してもらった場合は、お薬代の一部が保険適用外となり、支払いが高くなるという制度です。ジェネリック医薬品ではなく新薬を希望した場合は、支払いが通常より高くなるため、ご自身でお薬代の一部を保険なしで支払うことになります。これは、なるべくジェネリック医薬品を使用してください、という趣旨の制度です。高齢化社会で医療費が高騰している今の日本で、国民皆保険制度の維持とご自身のお薬代の節約のために、ジェネリック医薬品とうまく付き合っていただければと思います。


2025年4月

薬局コラム


桜満開、入学式に入社式、春本番の季節になってきました。

今回は低血糖について取り上げてみたいと思います。

時々、糖尿病の患者さんに、薬局の窓口で聞かれます。
「低血糖って、どんな症状が出るの?」

お答えしていきます。
低血糖は血糖値で70mg/dL未満になった状態を言います。この状態になってくれば、低血糖の症状が出てくる場合があるのですが、症状のキーワードは、はひふへほで覚えてください。

「は」は腹が減る
「ひ」は冷や汗
「ふ」は手足のふるえ
「へ」は変にドキドキ(動悸)
「ほ」は放置で昏睡

「ほ」は、よほど血糖値が低くならなければ、起こらない症状なので、過度におそれる必要はないかと思います。

次に、この低血糖ですが、原因の大半は糖尿病の薬物治療で起こる副作用の場合が多いようです。ですが、最近の糖尿病の薬は、低血糖を起こしにくい薬が多く登場しており、以前に比べると低血糖のリスクは下がってきています。

ですが、低血糖が危惧される薬が主に2種類あります。それはインスリンの注射とSU薬と呼ばれる飲み薬です。この2種類のお薬は他の糖尿病の薬に比べて、低血糖を起こすリスクが高いので注意が必要です。

ではどのような場合に、低血糖を起こしやすいのでしょうか?それは、食事が摂れないときや食事量が少ないとき、また運動量が多いときや、多量の飲酒をした場合等が挙げられます。このような場合は、通常より血糖値が低くなり、また糖尿病の薬はいつもと変わらず摂取しているため、より血糖値が下がってしまって、低血糖になってしまうという理屈です。

最後に低血糖の症状が出たと思ったときは、すみやかにブドウ糖10g、砂糖20g、コーラやファンタなどの甘い清涼飲料水、チョコレート、飴等を摂取しましょう。ブドウ糖は薬局の窓口で、貰えるかと思います。10~15分くらいで回復してきます。治らないようなら、再度摂取して様子を見ましょう。それでも回復しないときは、早めに受診や救急車を呼んでください。そして定期受診の際に、どのような場合に低血糖が起こったかを必ず医師に報告してください。薬の中止や減量、変更等を考量してくれます。

正しく低血糖を理解し、低血糖をおそれ過ぎず治療に取り組みましょう。頑張ってください!!



2025年3月

花粉症シーズン到来ですね! 


こんにちは、薬剤師の細川です。

「花粉症の本格的なシーズン、本当に憂鬱ですね。私もくしゃみと鼻水が止まらず、毎日ティッシュが手放せません。今回は、そんなつらい花粉症の症状を和らげる3つのアイテムをご紹介します。」


アレルギーを抑える飲み薬です。最近の飲み薬は、眠くなりにくいものが増えています。効果が出るまで少し時間がかかりますが、くしゃみや鼻水には効果が期待できます。ただし、鼻づまりや目の痒みには効果が弱いことがあります。

②ステロイド点鼻薬です。鼻づまりに効果があり、鼻の症状全般に効果が期待できます。ステロイドと聞くと副作用を心配されるかもしれませんが、用法用量を守れば安全に使用できます。ただし、使用方法がやや煩雑なため、継続できない方もいるようです。

③アレルギーを抑える目薬です。目の痒みや充血に効果があります。コンタクトレンズの種類によっては使用できない場合があるため、「医師、薬剤師に相談してください。

これらの薬は、症状に合わせて自由に組み合わせることができます。症状がひどい場合は、自己判断せずに、必ず受診し医師に相談しましょう。

花粉症に負けず、快適な春を過ごしましょう!お大事になさってください。